本日よりメキシコ・キューバを巡る一ヶ月の旅が始まろうとしている。
ただし今回の旅はあくまでもキューバが本命。
偉大なるフィデル・カストロ共産党総書記…ではなく、彼のかつての親友であり
キューバ革命の英雄エルネスト・チェ・ゲバラの崇高な魂を受け継ぎに行くのだ。
そして高齢なカストロの余命も長くはない。カストロが急逝すれば
今のキューバを特徴付ける共産主義イデオロギーも変化する可能性がある。
だから今、キューバをこの目で見ておこうと思った。
とはいえ長旅ができるのも、もしかしたら卒業旅行のこの時期が最後かもしれない。
そう思うとキューバ一国だけを旅するというのは、あまりにも味気ないように思えた。
大体キューバ自体、50年前にスリップしたかのような首都ハバナや、サルサを初めとする
キューバ音楽、それから美しきカリブ海のリゾートぐらいしかとりたてて見るものもないのではないか。
そこで僕はキューバ近隣の国を検討してみた。
1.ハイチ
世界初の黒人奴隷による国家というだけあって興味深い。
しかし一年ほど前に大震災に襲われてから、経済は極度に疲弊。
とても旅ができる状況ではない。社会の秩序も失われつつあり治安も悪化しているため
いくら『危険地域は旅の必要悪』との哲学を標榜する僕にもハイチはためらわれた。
2.ジャマイカ
首都キングストンは世界でも名立たる犯罪都市。僕の胸が高鳴った。
レゲエの本場というのも魅力を引き立たせている。
しかし…単純に渡航費が高い。キューバとは目と鼻の先にあるにもかかわらず、だ。
3.メキシコ
南米一の経済大国。キューバとセットにすれば経済環境の差を強烈に印象付けることができるだろう。
カリブのリゾート地として有名なカンクンからキューバへは安い航空券が出ているし、
治安の適度な悪さもポイントが高い。キューバにはない古代遺跡も存在する。
よし、メキシコに決まりだ。
かくしてメキシコ・キューバ紀行という大まかなプランが決まった。
2/18~2/27はメキシコ
まずはメキシコシティ入りし数日間観光した後、東へ東へと進み、
途中でいくつか地方都市を巡りながらカンクンを目指す。
2/27~3/22はキューバ
カンクンからハバナへ発つ。そこから3週間かけてキューバ本島を一周する。
できればキューバの中のロストアイランド・青年の島も訪れたい。
僕にとって最初の非アジア圏の国への旅。
今回はどんな出会いが待っているのだろう。
前回のシルクロードの旅のときと同じように、期待と不安に包まれながら、
2月18日僕は日本を発った。