この日はテオティワカンを観光した。
テオティワカンは世界遺産にも登録されているピラミッドの遺跡群である。メキシコの古代遺跡という漠然とした憧れを抱いていた僕には、外すことのできない場所だった。
メキシコシティよりバスで1時間ほどで到着する。
道中、バスに突然3人の男が乗り込んできて、メキシコの民俗音楽(たぶん)を生演奏してくれる(もちろんチップも請求される)。ここぞとばかりにサウンドレコーダーを取り出し、録音させていただいた。
テオティワカンは350年~650年に栄えたテオティワカン文明の中心都市であったらしい。南北2.5km、東西1kmほどの敷地に、太陽のピラミッド・月のピラミッドをはじめ、さまざまな神殿や宮殿が置かれている。太陽のピラミッドはエジプトのピラミッドに続いて世界第三の大きさを誇るという。
月のピラミッドの頂上で、Asamiと名乗る日本人男性と出会った。聞くと、昔トラックでアメリカから中米のどこぞやの国まで横断する運搬業に従事していたことがあったそうだ。しばらく話していると、面白いことが聞けた。
「ほぉーキューバへ向かわれるんですか。実は私、前妻がイギリス人だったんですけど、振られちゃいましてね・・・キューバ人の男に取られちゃったんですよね~あはは。」
というわけでキューバについても詳しく、キューバでは30万円で家が買えるということも聞けた。(バイクや車の方がよほど高級品らしい)
確かに平均月収が$25のキューバである。30万円といえばざっと計算して12.5年分の収入に相当するため、ありえる話だ。
ここでちょっと気になったのは、今回の旅の全荷物をお金に換算するといくらになるかということだ。
スーツケースにもなる2Wayバックパック3万円・・・
幾度もの戦場を潜り抜けてきたかのようなボロボロのアンティーク加工が施されたデイパック2万円・・・
アメリカ陸軍に軍用ブーツを供給し続けているBATES社のコンバットブーツ3万円・・・
ノートPC5万円、デジカメ3万円、iPod3万円、スマフォ6万円(!)・・・
その他、着ている服なども合わせれば、ひょっとすると・・・あらためてキューバ行きが不安になってきた。
この他にも、Asamiさんとはグアテマラの反政府活動の情勢、ドル相場の見通しなどいろいろ議論することができた。こういう一癖あって面白い人と出会えるのも旅の醍醐味の一つと言えるだろう。
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