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ウルムチ – 烏魯木齊 –

ウルムチ – 烏魯木齊 –

By on 2009,7月 26, in | 0 comments

2009. 7.26

ウルムチ到着

ウルムチに到着した。

駅の出口には体格のいい警備員が大型のマシンガンを抱えて睨みを利かせている。数週間前にウイグル族の暴動があったせいで普段より警備が厳重になっていると思われた。写真を撮りたがったがさすがに躊躇した。

駅を出て、まずは目当ての宿へ向かう。 鉄道内で仲良くなったハオロンも付いて来ていた。

今回宿泊したのは『新疆麦田国際生年旅舎』。1泊45元。

ハオロンとの親睦をさらに深める

部屋に荷物を置くと、一緒に付いて来ていたハオロンが、うちへ遊びに来ないかというので行くことにした。

ハオロンの部屋はウルムチ市内の北部郊外の閑静な住宅街にあるマンションの一室だった。

部屋で少しくつろいだ後、近所を散歩して屋台で夕食を食べることにした。
ウイグル料理を教えてもらいながらケバブ、ラグマン、新疆ビールなどを頂く。ウイグル自治区やこの周辺地域(キルギスやウズベキスタンなども含む)は東トルキスタンと呼ばれている通り、民族的・文化的にトゥルク系という同じルーツを持つ。そのためウイグル料理もトルコ料理に似たものである。新疆ビールは苦味も少なく、ビールが苦手な僕にも飲みやすかった。

食事代はハオロンが全て出してくれた。客人をもてなすのが我々中国人の文化だ。と粋なことを言う。
中国人は日本人のことを嫌っているいう話はよく聞くが、ハオロンからは全くそのような感情は感じられなかった。

その後宿に戻ろうとすると、今日はうちに泊まっていかないか、と誘われた。
ゲイにモテるこの僕のこと、少し躊躇ったが、せっかくの誘いを無下に断るのも悪かろう、ケツを掘られるリスクなぞ軽いものよと自分に言い聞かせ、そのまま泊まることにした。

その夜は二人でさらに酒を飲みかわし、二人別々の部屋で寝た。

ハオロンとの別れ

翌朝、ケツが特に痛くはなっていなかったことにささやかな安堵を覚えたことは言うまでもない。
ハオロンは今日は出勤である。支度が終わるのを待って二人でタクシーに乗り、僕は宿へ、ハオロンは職場へ向かう。

別れ際、ハオロンは涙ぐみながら僕の手を握り、
「本当に楽しかった。君はこの先長い旅になるから気を付けて旅をしてくれ。何かあったら中国国内にいるうちはいつでも俺に電話してきていいから」
と言ってくれた。そして僕に小さな手作りのお守りをくれた。

たった2日前に出会った仲なのに、ここまで想いやってくれるとは・・・その優しい心意気に感激するとともに、ハオロンをゲイ扱いしたことを恥じた。

中國には『縁份』という言葉がある。内的な質を伴う縁という意味だ。同じ日時に、同じ鉄道の同じ車両、そして同じコンパートメントで出会ったハオロンと僕。ウイグルでは数少ない英語話者であることで、お互いのことを深く知り合えた縁。そのような出会いをハオロンもまた特別なものと感じていたに違いない。

ありがとう、ハオロン!

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